名誉市民 故・天田昭次氏
至芸の世界を歩み続けた刀剣作家
静寂の空間が漂うそのとき、鞘(さや)から引き抜かれた刀身の、澄みきった輝きが心を打つ。黒く形もない鉄が、吸い込まれそうな清澄な光を放つ一振の刀剣となるまでには、人知れぬひとつの物語があった。
刀づくりに一生涯をかけ、長年の努力が結実し、ついに重要無形文化財保持者(人間国宝)という最高名誉を極めた刀剣作家・天田昭次氏(本名:誠一氏)を紹介いたします。
プロフィール
- 昭和2年
故天田貞吉刀匠の長男として本田村で生まれる。 - 昭和15年
小学校卒業と同時に上京し日本刀鍛錬伝習所に入門。7年間修行。 - 昭和27年
作刀第1号として日米講和条約記念刀を製作。 - 昭和34年
現状の作刀に疑問を感じ、自家製鉄の本格的な研究に入る。 - 昭和35年
闘病生活に入る。 - 昭和43年
病気が回復し現住所に自宅及び鍛刀所を移転。 - 昭和49年
新横綱北の湖の土俵入りの太刀を製作。 - 昭和52年
新作名刀展で「正宗賞」(山城伝)受賞。 - 昭和53年
新潟県無形文化財及び豊浦町無形文化財に指定される。 - 昭和60年
新作名刀展で2度目の「正宗賞」(相州伝)受賞。 - 平成2年
全日本刀匠会理事長に就任。 - 平成8年
新作名刀展で3度目の「正宗賞」(備前伝)受賞。 - 平成9年
国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。「豊浦町名誉町民」の称号が贈られる。 - 平成11年
薫四等旭日小綬賞受賞 - 平成15年
新発田市名誉市民となる。 - 平成25年
逝去。
※「正宗賞」が設けられてから31回の歴史のなかで3度の受賞は天田氏で3人目。
※天田貞吉氏 昭和10年日本刀展覧会で文部大臣賞を受賞、昭和12年死去
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