地域おこし協力隊を配置する新発田市の考え方

地域の「これからの未来」を一緒に創る

新発田市はもちろんのこと、いまや日本全体で人口が減る時代です。人口減少は解決する課題ではなく、これからの社会の前提であるものと捉えて、地域の在り方を考えていかなければなりません。右肩上がりの時代から大きく方向が変わった先にある「これからの未来」。新発田市としてどのように地域の「これからの未来」を創っていくかが問われています。

地域の「これからの未来」を一緒に創る。それが新発田市の地域おこし協力隊の役割です。

1.地域づくりコーディネーター

自治会やNPO、学校などを支援する「地域づくり支援センター」において、各団体が抱える地域づくりに関する課題を一緒に考え、ほかの団体や個人、制度へつなぐお手伝いをします。また、他団体がもつ情報やノウハウを共有し、市全体へ広め、応用していくことも重要な仕事です。センター内の業務にとどまらず、積極的に地域へ出向き、課題を共有していくことが求められています。

2.コミュニティセンター利活用促進担当

住民の皆さんがコミュニティセンターを活用して、自主的なコミュニティ活動や生涯学習などを行えるようお手伝いをしています。各種情報発信やイベントの企画・運営などを行うことで、センターの活性化を図ります。また、地域主体の持続可能な管理運営に向け、日々取り組んでいます。

3.多文化共生コーディネーター

新発田市内で暮らす外国人住民の数は、年々増加傾向にあります。多文化・多言語化によって起こる様々な課題に、人や組織・団体と連携して取り組んでいきます。国際理解を深める講座や多文化共生イベントの企画・運営も行います。

4.スポーツ・カルチャー・ツーリズム、スタディ・ツーリズム推進員

スポーツ合宿や教育旅行はつねに一定の需要があり、若い世代に新発田市を知ってもらえる大切な機会でもあります。これらの市内誘致を実現するため、学校や旅行会社などへ働きかけを行うとともに、充実した運動施設、温泉、豊かな自然や歴史などの資源を活かし、学びのある観光体験を提案します。

5.道の駅加治川観光案内

2022年4月にリニューアルオープンした「道の駅加治川」。この新たな観光拠点で、新発田の魅力を伝える観光案内や情報発信を行い、市街地や各地域への回遊を促すことで、『まちの賑わいの創出』と『稼げる観光地づくり』の実現を目指します。

6.有機農業地域おこし協力隊

市内の中山間地域に居住しながら、有機 JAS 認証米作付けによる産地形成を目指して農業に従事（先進的法人などと共同）するとともに、居住地域と連携した鳥獣被害対策の実施により、地域の鳥獣被害の軽減に向けて取組みます。

新発田市の地域おこし協力隊サポート体制

新発田市では、市民まちづくり支援課の職員が地域おこし協力隊のサポートを行っています。受け入れ地域との調整や、仕事・生活に関しての困りごとなど柔軟に対応しています。

（1）定例会議で日々の活動をサポート

地域おこし協力隊全員と市民まちづくり支援課の職員、地域づくり支援センタースタッフが集まり定例の会議を行っています。仕事に関して、生活に関してどんなことでもご相談ください。ほかの協力隊員と顔を合わせて情報共有もできる場となっています。また、それぞれの受け入れ地域でも、自治会長や世話人、地域住民と担当の協力隊員で集まり、活動の状況や今後の課題などを共有しています。

（2）定住に向けたサポート

地域おこし協力隊の任期である3年を終え、新発田市に定住する際には市内で空き家などを探すことも可能です。「退任後も新発田市内で住み続けたい」という隊員には、住宅の購入費の補助などの支援を行っています。また、任期後の仕事についても、本人の希望に合わせ起業支援や就職支援など、次のステップまでフォローしていきます。

地域のくらしの中には助け合いや支えあい、おすそ分け、共同作業など、お金に換算できない人と人とのつながりがたくさん残っています。経済成長を求める中では見落とされてきたつながりの中にこそ新しい「豊かさのものさし」のヒントが見つかるかもしれません。新発田市では地域おこし協力隊と共に、持続可能な地域のあり方を模索していきます。