赤谷地区(上赤谷) 川邊 直子さん

ページ番号1013097  更新日 令和2年7月3日

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「赤谷に残りたい!」その一心でお店を開業

川邊さん
川邊直子さん(神奈川県横浜市から移住)
任期:H28.5~H31.4

「しばたって読むんですよ」から始まった移住生活

新発田市の協力隊になった経緯を教えてください。

―子育てがひと段落したっていうのがきっかけですね。2011年の震災を経験して、いつかは自分のやりたいことをと考えていました。その中の一つが、「田舎でくらす」というものだったんです。

新発田市は以前からご存じでしたか?

―いえ、まったく(笑) 4年前、東京ビッグサイトで毎年開催されている「JOIN移住フェア」に軽い気持ちで参加してみたんです。新発田市のブースの前を通った時、「新発田」が読めなくって。そこで考えるように立ち止まっていたら、興味があるのかと思われて市の担当者に声をかけられたのが始まりです。

では、本当に偶然?

―はい(笑) 話を聞いてみたら新潟県にある街っていうのが分かって、「新幹線を使えば東京から簡単にアクセスできるしいいかもなぁ」って。子どもが遊びに来ることを考えたら、それが唯一の条件だったんです。それで週末に見学会があるって教えてもらい、勢いで申し込んでみました。

勢いですか?

―じつは申し込んだのも勢いです。見学に参加して地域の良さ、人の良さに惹かれたので改めて申し込み期限を確認したら、時間がなくて。ほかを見学する余裕もないし、これもご縁かなと思って申し込みました。気がついたら、その2か月後くらいには赤谷住民としてのくらしが始まっていましたね(笑)

距離を縮めた毎日の公民館と趣味の会

地域おこし協力隊のくらしはいかがでしたか?

―最初は大変でした。転校生ってこんな気分なんだなって。たくさんある作業や行事には誘ってくださるんですが、なかなか向こうから話しかけてくれなくて。私から話しても会話が長続きしないんです。今だから分かるんですけど、赤谷は恥ずかしがり屋さんの人が多いんですよ。

それは大変でしたね。

―空回りしていたんだと思います。早く溶け込まなきゃって。でも、赤谷には赤谷の時間が流れているし、急に私のペースに変えることはできないよなって途中で気づきました。それもあって、最初の1年間はとにかく公民館にいるようにしていましたね。当時は公民館の一角で診療所が月曜から金曜の午後から開いていて、いろんな方と顔を合わせるいい機会だったんです。

そこから徐々に地域との距離が縮まっていった?

―はい。ほかにも卓球に混ぜてもらって世間話をしたり、月に1回開催する地域の茶の間という食事会の手伝いをしながら私の話をしたり。少しずつ距離が縮まっていくのを感じました。

かごバック
 趣味の会で作成しているかごバック

3年間の活動で、印象に残っていることはありますか?

―やっぱり、趣味の会ですね。毎年2月に開催される「どんつき祭り」っていうのがあって、そこでお店を出してみないかって言われたんです。

お店というと?

―手作りのアクセサリーとか小物類ですね。「川邊さん、モノづくり得意なんだろ? だったらぜひ出してくれ」って急に言われたんです。びっくりしましたよ(笑) 地域にモノ作りが好きなお母さんたちが多いのも知っていたので、「だったら一緒に作りたい!」って私から提案しました。それが「趣味の会」を作るきっかけです。

楽しそうですね。

―はい、とっても! 趣味の会を始めたら「パンづくりも教えて欲しい」ってなって、「赤谷パン教室」も月に1回開催することになったんです。モノづくりもパンづくりも赤谷に来る前から趣味程度で楽しんでいましたけど、まさかこんなところで役立つとはって感じでしたね(笑)

任期満了、そして開業に向けての忙しい日々

定住を意識し始めたのはいつ頃ですか?

―2年目の終わりくらいからです。趣味の会やパン教室のおかげで、どんどん人脈が広がっていったんです。そうしたら毎日が楽しくって! 「どうしたらここに残れるかな」と考え始めました。

残る為に具体的な策はあったんですか?

―いえ、全然(笑) でも、地域の人が「川邊さんに仕事がないと横浜に帰っちゃう」って、いろんな所から就職情報を持ってきてくれるんですよ。時には「自分が辞めて川邊さんに仕事を引き継ぐ」なんていう人もいて、本当にその気持ちがうれしかったですね。「これだけ自分によくしてくれる地域のために、赤谷でお店を開きたい」と考え始めたのが、任期満了の10カ月ほど前でした。

開業までをふり返ってみていかがですか?

―とにかくバタバタでした。市役所に相談したら「しばた創業塾」というものを教えてもらったんです。お店を開業したい人向けに、地元の商工会議所が主催する勉強会みたいなものですね。

そこでビジネスプランを作成した?

―はい。最初は手作りのモノを販売するお店を考えていたんですが、中小企業診断士の方から「食に関するお店にした方がいいのでは?」って、アドバイスをもらったんです。「飲食店でほとんど働いたこともないのに大丈夫か、私?」と自問自答しながら考えを詰めていきましたね。毎日悩んで大変でしたけど、創業塾のおかげで開業に向けて前進しました。

オレンジ
   お店で好評の季節の菓子パン

開業するにあたって、国や市から援助があったと聞きました。

―地域おこし協力隊を退任したあとも定住して起業すると、国から100万円の補助がいただけるんです。私の場合は地域の空き家でお店を開業したので、改装費や設備費などにありがたく使わせてもらいました。あと、市の新規創業支援事業助成金というものも活用させていただき、家賃などの経費を3年間支援してもらっています。

地域みんなの笑顔があふれるお店に

開店したのはいつですか?

―平成の終わりとともに協力隊を卒業して、2カ月後の7月5日にオープンしました。パンや軽食、ドリンクを提供するお店「あかたにヒュッゲ」として、金~月曜日の週4日間営業しています。あと、「趣味の会」を今でも週1回開催しているので、その会場兼販売スペースでもあります。

お店を開業して、地域の方の反応はいかがでしたか?

―とにかく喜んでくれましたね。毎日のように通ってもらって、忙しい時には片付けを手伝ってくれた人もいる。収穫した野菜や山菜、果物などをお店に持ってきてくれるのは日常茶飯事です。おかげで、季節限定の新メニューを山ほど考える羽目になりましたけど(笑)

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     地域の方からおすそ分け

地域にお店を育ててもらったみたいな?

―はい。新メニューができたら、近所の仲良しさんに試食してもらうんです。反応が良ければメニュー化して、ダメならまた違う新作を考える。大変ですけど、凝り性だからか楽しくって。

開業してもうすぐ1年、お店の運営はいかがですか?

―ようやく、一人でも大丈夫って思えるようになってきました。地域の人が支えてくれるのが本当にありがたいです。また、私を応援してくださる新発田市内外のリピーターさんにも感謝しています。

今後はどのようなお店作りを考えていますか?

―お子様連れのお客様をもっと増やしていきたいです。赤谷って高齢者が多いから、子どもが来るだけでみんなが元気になるんですよね。お店の中で乳幼児が泣き叫んでも、「泣くのが赤ちゃんの仕事。元気があっていい」ってみんな寛容に接してくれますし。お互いにとっても最高かなって。

協力隊ではなく、ひとりの赤谷住民としてのくらし

協力隊の退任前後で変わったことはありますか?

―気が楽になりましたね。協力隊の時は「地域に貢献しなきゃ」って気が張っていたんだと思います。

今は違う?

―地域のくらしを楽しめればいいかなって。今年の春は、お母さんたちにくっついて山菜取りによく出かけてました。81歳なのに、とんでもない山道をずんずん進むんですよ(笑) 赤谷の方々はみなさん本当に元気で、「私も頑張らなきゃ」っていつも刺激をもらってます。

逆に変わらないことはありますか?

―地域への愛情ですかね。「○○さん元気にしてるかな?」って気になったり、地域でイベントがあればお店を休んで参加したり。そういう意味では、協力隊気質が抜けてないんだと思います。

最後に新発田市の協力隊に興味がある人に一言お願いします。

―当たり前のことをしていれば、時間と共に周りが受け入れてくれるようになります。でも、覚悟は必要。都会が嫌だからっていう理由だけで移住するのも悪くないけど、田舎をなめるなよと(笑) 自分のやりたいことを持っている人は強いと思いますね。私の場合はモノづくとパンづくりでしたけど、思いがけない趣味が役立つこともあるんです。何にでも興味を持って、今から下準備しておくのもいいかもしれないですね。

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